手紙を書くときにどうしても悩むのが、季節や時候の挨拶です。相手に失礼でないか、おかしい表現でないか、つまづきます。
ここでは8月に出す手紙の起首と季節・時候の挨拶をあわせて書いています。ご自分の感覚で、その手紙を出すときの季節感で選んで下さい。
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手紙の基本構成
前文…起首(拝啓や謹啓など)、時候・季節の挨拶、安否の挨拶
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主文…用件
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末文…締めの挨拶、結語(敬具や謹白、かしこなど)
↓
あとづけ…日付、署名、あて名
お礼状の書き方
お中元などいただきもののお礼は、贈られた品物についての感想をできるだけ具体的に、素直な感謝の気持ちを手紙に書きましょう。
まずはメールや電話で無事に届いたと伝えてから、2~3日以内に改めてお礼状を出すと丁寧です。
私が実際に頂いた手紙を、画像はありませんがのせています。素直に書かれた手紙ですので、ご参考までにこちらからどうぞ。
例文
夫の部下からお中元を頂いた
1枚め
2枚め
拝啓
①立秋とは名ばかりの酷暑が続きますが、②山田様にはお変わりなくご活躍の由何よりと存じます。
③この度はお心づくしのお中元のお品を頂戴し、誠にありがとうございます。④主人の好きな
ビールのつめあわせ、毎晩楽しませて頂いております。
⑤いつも主人の方こそお世話になっておりますのに、さらにご配慮を頂きかえって恐縮に存じました。
⑥ご厚志ありがたく、お礼申し上げます。
⑦まだ秋を感じるには早いようです。お体大切になさってくださいませ。
⑧かしこ
平成三十年八月十五日
田中一郎 内
山田太郎様
置き換え
①+②前文 時候・季節の挨拶、安否の挨拶
上旬
①遠くから聞こえる花火の音が夏の趣を感じさせるこの頃ですが②〇〇様はお変わりありませんか。
①夏の空にひまわりが元気に顔を向けております。②〇〇様はいかがお過ごしでしょうか。
中旬
①ますます暑さがつのるこの頃ですが、暦の上ではもう秋なんですね。②皆様お変わりありませんか。
①+②お盆休みにはご家族の皆様おそろいで楽しくお過ごしのことと存じます。
下旬
①夏休みはいかがお過ごしでしたか、まだ暑い日が続きますがお変わりありませんでしょうか。
改まった相手には②を
皆様(〇〇様)におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
③主文 用件
この度は私どもの大好物のお品を頂戴し、誠にありがとうございます。
先日御地特産の〇〇が届きました。
④
家族そろって美味しくいただきました。季節の味を堪能いたしました。
主人も子どもも大喜びで、やはり格別の美味しさですね、感激いたしました。
⑤+⑥
⑤いつもこちらの方がお世話になっておりますのに、⑥さらにお心遣い頂き感謝いたします。
⑤+⑥いつもやさしいお心遣い、ありがとう存じます。
⑤+⑥細やかなご配慮に心よりお礼申し上げます。
⑦末文 締めの挨拶
時節柄ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。
残る暑さ、ご自愛下さいませ。
まだまだ暑さが厳しいので体調をくずされませんよう元気でお過ごしください。
改まった相手には⑦を
皆様(〇〇様)のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
元気にお過ごしになられますよう祈念しております。
⑧結語
敬具 かしこ(自分が女性の場合)
封筒の書き方と手紙の折り方画像で説明 はこちら
先方のお名前が、下の方に来る場合には、段を変えて次の段に来るようにします。便箋の3分の2ぐらいを目安にします。
逆に、自分の方はあまり上に来ないようにします。「主人は」とか「私ども」など使わなくても済むよう文を変えたりして、調整しましょう。
最近ではあまり気にされないことが多いですが、特に年配の方に出すときには気をつけたほうが良いでしょう。
使う便箋について
こういった手紙やハガキを書くときに、慣れていないと本やインターネットで調べて書くと思いますが、中途半端に1枚めが終わってしまったりしませんか?
私はよくありました。署名や宛名などのあとづけだけが残ってしまい、調べてみると、字を小さくして無理やり1枚めに収めるか、字を大きくしてゆったりと書いて、2枚目まで末文(締めの挨拶)がかかるように書くかしないとダメよ、となっています。
いろいろ試した結果、便箋を変えることでこの悩みは解決します。
便箋を選ぶときに、罫線(縦に入っている線)を9行もしくは10行のものにすると、本やインターネットで載っている文章をそのまま書いても、2枚になってくれます。
12行のもので、もう字の大きさなどの調整が必要になってきます。ここでは9行の便箋を使っていますが、見ていただくとわかるようにぴったりでした。
お買い求めの際はぜひそれを意識して買われますようおすすめします。
そしてその便箋を使うときに、気持ち字を大きめに書くことがコツです。
書くときに「ちょっと字が大きいかな?」と思っても、読み返すと案外読みやすいです。
もしも罫線の多い便箋をすでにお持ちの場合は、一行ずつあけて書くか、段落を下げて書くときに一行あけるかすると、読みやすいものになります。
この場合も、字の大きさを意識して小さくなりすぎないよう、詰めすぎて読みにくくならないよう気をつけて書くと良いでしょう。
下書きは必須
必ず下書きをすること、これは必須です。
下書き用の便箋を用意されるのがおすすめです。らくがき帳など無地のものでも良いので、その下書きしたものが、そのままどの相手にどんな文章でいつ書いたか、などの記録にもなります。
「頂き」や「申し上げます」「お過ごし」などは重複しがちですので、下書きしたものを声に出して読んでみて、しつこい文章になっていないか、同じ言葉が繰り返されていないかをチェックしましょう。
字について
いざ便箋に書く字は一文字一文字、ゆっくりと書くと、丁寧に書くことが出来ます。
時間がかかるかもしれませんが、サラサラっと書いて間違えたりして書き直しするよりも、ずっと早く仕上がります。
まとめ
最後までお読みくださりありがとうございました。8月の手紙を書く際にご参考になれば嬉しいです。