便箋はいろいろな形や様式があります。
罫線(縦の線)が引かれているものや、便箋は白紙で付属の下敷きにする厚めの紙に線が引かれていて、それを敷いて書くときれいにまっすぐ字がかけるものなど、模様も季節によって意識したり無地のものなど、たくさんあります。
基本的に買う人の趣味や好みで選びますが、ここでは便箋の使い方をお伝えします。
便箋は好きなように使ってOKです。
縦書きの便箋でも横書きにしても良いですし(この場合は親しい相手にのみ)、どんなに使っても構いません。
1行ずつあけて書くもよし、つめて書くもよし、新しい段落にするときに1行あけても良いです。
ここで気をつけることはただひとつ、「相手が読みやすいように書く」ということです。
罫線が多く、15行以上のものは少し字が小さくなります。
反対に罫線が少なく、8行~10行くらいのものは、字の大きさにもよりますが余白が多くなります。
これはコクヨの 書翰箋 という便箋です。15行。
これはノートでおなじみ、LIFEの 来富 という便箋です。12行。
これはパピラスというブランドの あをによし という便箋です。9行。
年齢の近い方に送るのであれば、ご自分の感覚に近いのであまり気にしなくても構いませんが、ご高齢の方などに送る場合には、罫線の少ない便箋で、気持ち大きめに字を書くなどの配慮はされたほうが良いです。
だいたい同じ内容のことを書いてみました。
コクヨの 書翰箋
1枚め
2枚め
ライフの 来富
1枚め
2枚め
パピラスの あをによし
1枚め
2枚め
そして、手紙を書いていると悩むのが、改行のときです。
基本的に手紙を書くときは、上の段と下の段を揃えて書くようにします。一つの単語の途中でも、段を揃えることを優先して書きます。
・句読点と、小さい「ゃゅょっ」は行の一番上に来ないようにすること。
・人名は切り離さずに、書ききれないようでしたら下は少し空白になってでも、行を変えて書く。
・相手の人名や敬称の場合は、書ききれるとしても行の一番下に来るようであれば、段が揃わなくても空白にして行を変えて一番上に来るようにする。
手紙を書くことに慣れてくると、書き始めと書きたい内容と行の残りを見て、単語の途中で改行しないように上手に行におさめることは出来るようになるようですが、
なかなかそんなに慣れるほど手紙を書くことも少ないですし、あまり気にされずに書いていいです。
今はない?手紙のマナーの話
手紙のマナーとして、相手の名前や敬称は半分より上、自分側のことは半分より下に書くというのがあります。
いまはそんなに気にする人もありませんが、
手紙の相手が目上の方やご主人側の方など改まった相手に出す場合には注意をされたほうが無難です。
「私は」や「主人が」などはなるべく便箋の下の方に書くのですが、私は行の一番上に来なければ良いのではないかと思います。
正式には行を変えて一番下に「私は」と書いて改行して文章を続けるのですが、最近は手紙でそこまでするとかえって気にし過ぎのように思われますので、
一番上に「私は」など自分のことが来てしまう場合には、他に変わる言葉、もしくは「私は」という言葉を使わなくても意味が通じるようでしたら、あえて省いても良いかと思います。
一番上でなくても便箋の三分の一より上になる場合には、真ん中でなく少し字を小さくして右寄りに「私は」と書くのが正式な書き方ですが、こちらも気にされずに書いて良いです。
ただマナーにうるさい方あての場合には、
・相手方の名前は便箋の三分の二より下に来るときには改行して一番上から書く。
・自分方の名前は便箋の三分の一より上に来るときには小さめの字で右寄りに書く。
・自分方の敬称が行の一番上になる場合は、省いても通じるような文章にするか他の言葉に変えるかする。
マナー云々を言わない相手であれば、特に気にしなくても構いません。というかよほど「自分に厳しく他人にも厳しい」方でない限りは、ここまで徹底してされることのほうが「気にしすぎ」という印象になります。
手紙は2枚以上にする
こちらも今はそんなに気にする方はいませんが、1枚で完結する手紙は良くないとされています。
理由は諸説ありますが、昔江戸時代に、夫から妻へ、もしくは妻から夫へ交付する離婚の確認状が、1枚で完結する手紙であり、
また果たし状なども1枚で完結する手紙であったことから不吉なことを連想させるからというものと、
1枚で終わった手紙に白紙の便箋をつけることがマナーとされており、それも理由は、
昔は紙が高価だったので、相手への心遣いの形だという説
便せん1枚だけを封筒に入れて送るのは、そっけなく失礼、という説
また「本当はもっとたくさん書きたかった」という思いを伝えるためという説
などさまざまです。
その名残か、お見舞いや不祝儀等の場合は「重なる」ことを嫌って1枚で完結させるということも言われています。
これらのことは、手紙を送る相手との関係性やご自分の感覚で書けば良いとは思うのですが、
手紙は構成があってそれに則って書けば失礼にならない手紙が出来上がるという便利なマニュアルのようなものですが、
その構成に沿って書くと特に意識しなくても2枚以上にはなります。
またお見舞いや不祝儀のことなんかでも、相手のことを心配して書くわけですから、あまりクドクドと書かないなど気をつければ、1枚におさまる手紙になると思います。
こういうマナーがある、と知識として知っておくぐらいで良いでしょう。
手紙のあとづけの書き方
手紙の流れは、下記のようになっています。
前文…頭語(拝啓や謹啓など)、時候・季節の挨拶、安否の挨拶
↓
主文…用件
↓
末文…締めの挨拶、結語(敬具や謹白、かしこなど)
↓
あとづけ…日付、署名、あて名
手紙の結びの言葉(結語)の後に、いつ誰が誰に書いたものかわかるように、あとづけというものを書きます。
これが覚えておくと簡単ですが、そんなに手紙を書くことも少ないので忘れてしまいがちです。
私も手紙を書くたびに確認したものです。
手紙を書いて、1枚めもしくは2枚めギリギリまで書き、次のページにあとづけのみ、というのは失礼になります。
そういったときには、少し文章を省いてそのページにあとづけまで書くようおさめるか、
逆に言葉を多くして文章が次のページにまたがるようにするかして、
とにかくあとづけだけのページにならないようにするのが大切です。
できれば結語に1行、あとづけを日付に1行、署名に1行、宛名に1行と、合計4行は欲しいですが、残りが2行しかない場合には、結語を締めの言葉の下に取り、日付と署名は同じ行に書き、宛名に1行取ります。↓②参照
また反対に便箋の初めの方にあとづけが来た場合には、日付、署名、宛名を1行ずつあけて書いても構いません。
①こちらは1行ずつ書いたもの(上記来富2枚め)
②行が足りなくなって日付と署名を同じ行に書いたもの(上記のあをによし2枚め)
③便箋に余白が多いとき(上記書翰箋2枚め)
バランスの良いように仕上げましょう。
あとづけの書き方としては、日にちを一段下げて書き、署名の下の段を揃え、宛名は上の段を揃えます。

封筒の書き方・手紙の折り方はこちら
まとめ
最後までお読みくださりありがとうございました。手紙を書く時の基本、便箋の使い方で、手紙を書く際のご参考になれば嬉しいです。