手紙は「拝啓」から始まり、「〇〇の候、皆様におかれましては~」と続き、本文を書いて「敬具」で締めくくる。面倒かな…と思いますが、これはこの順序があって、これに沿って書けば手紙が出来上がるという、いわばマニュアルです。
これがあるからこそスムーズに手紙が書ける便利なものなのです。
SNSなどは瞬時に用件を伝えられる良いツールですが、その人のことを考えながら、1文字1文字丁寧に字を書いて、思いを伝えてみませんか。
ここでは3月上旬の書き出しと結びの挨拶、それと自分の言葉で書くということがどういうことなのか、書き方のコツをお伝えします。
まずはこちらを→手紙を書く時の便箋の使い方
3月上旬の手紙の書き出しと自分の言葉で書くコツ
手紙の流れは、下記のようになっています。
前文…頭語(拝啓や謹啓など)、時候・季節の挨拶、安否の挨拶
↓
主文…用件
↓
末文…締めの挨拶、結語(敬具や謹白、かしこなど)
↓
あとづけ…日付、署名、あて名
頭語は「拝啓」がほとんどです。特にプライベートでは「拝啓」が一般的です。
よく手紙の書き方の本や、こういったサイトで、書き出しを「~の候(こう)」と書かれていますが、今この手紙を書く日にちはこの書き方であっているのか悩みます。
これは例えば3月でしたら、「早春の候(そうしゅんのこう)」となります。
「早春」とは、「暦の上では春になったが、まだ薄ら寒さの感じられる時分」(新明解 国語辞典第四版から引用)「~の候」とは~の頃、時節、のことです。
これは3月全般に使える言葉です。
また、「春分の候」という書き出しがありますが、春分の日のあたりのことなので3月21日頃のことです。
「春分の候」は、二十四節気の一つで、この二十四節気というのは1年間に二十四ありひと月に2つ(2気?)あります。大体月の初め4~8日頃と、月の終わり19~23日頃です。
立春とか秋分、冬至もこの二十四節気で、手紙の書き出しでよく見る「~の候」は、この言葉を当てはめることが多くあります。
「立春の候」などですね。そしてこの「春分の候」も同じです。
これは要はその手紙を書く時の季節のことを書けば良いのです。
なので私は手紙を書く時には、その日の、手紙を書く時の、事象や現象をそのまま書くことにしています。
一番手っ取り早いのが日にちを書くことです。
手紙を書く日が3月の上旬であれば、「もう3月に入りました。」と書きます。~の候と同じ意味ですね。
またこれでは少し味気ないな、と思う相手には、今ではスーパーにも花が売られていますので、そのことを書きます。
私は花の名前が全くわからなくて、ひまわり、チューリップ、パンジーぐらいしか自信を持って答えることが出来ません。
でも花屋さんには名前も書いてあるし、その時期に売られていますので、その季節の花で間違いないです。
・桃がきれいな季節になりました。
・梅の蕾がふくらみ始めていますね。
など、その地域のニュースなどでもこういった季節の花のことはよく話題になりますので、耳にしたことを書くようにします。
もしくは、イベント事でもかまいません。この季節は卒業式やひな祭り、春休みのシーズンですので、
・先日花束を持った学生を見ました。もう卒業のシーズンですね。
・姉がおひなさまを飾っています。
などとしても良いです。ご自分が気づいたことを書きます。
気をつけるのが、ネガティブなことは書かないこと。結びの挨拶に「まだ寒い日が続きますので」はかまいませんが、手紙の最初に「寒い日が続く」などはやめておきましょう。
3月上旬の結びの挨拶と自分の言葉で書くコツ
結びの挨拶は、相手の家族のことや、健康を祈る言葉を書きます。
家族のことは家族構成をそのまま書いて、健康を祈る言葉を続けます。
・ご家族の皆様によろしく、
・奥様にもよろしく、
などと書いてからその後へ
・時節柄ご自愛下さいませ。
・まだ寒い日が続きますので、お体大切にお過ごし下さい。
と書きます。
手紙の残りの行数を見て、少ししか書けない場合は「時節柄ご自愛下さいませ。」とし、ちょっと余裕がありすぎと思えば、「まだまだ寒い日が続きます。お体には気を付けてお過ごしくださいますように」と書いたりします。
結語は、頭語とセットです。
「拝啓」と書き出すと最後の締めくくりの結語は「敬具」もしくは女性は「かしこ」とします。
慶事など特に改まったときに使う「謹啓」は、「敬白」「謹白」。
急ぎで「前略」のときは「早々」や「草々」とします。
本文を自分の言葉で書くコツ
本文はどんな用件を書くのか、メモしておきます。
例えば主人の上司からお土産を頂いたお礼を言いたいのであれば、
・北海道のお菓子をもらったお礼
・子供が大好きで大喜びだった
・奥様によろしく
・お風邪などひかないように
など。
そして、お礼であれば「心より感謝申し上げます。」も良いのですが、「出張のお土産と伺っております。普段から良くして頂きながら、出張のときでまで主人のことをお気遣いくださって、とても嬉しかったです。本当にありがとうございました。」と、言葉をいじらずにそのまま自分がよく使っている言葉を、少し丁寧にして書くようにすると、より伝わりやすいと思います。
まとめ
最後までお読みくださりありがとうございました。3月のお手紙を書く際のご参考になれば嬉しいです。