手紙を書く時に一番悩むのが、書き出しと結びの言葉ではないでしょうか。
12月、とざっくりでサイトや本にはのっているけど、これって今書いている日にちで使っても良いもの?などと、思ったことはありませんか?
ここでは12月の上旬に使える手紙の書き出しと結びの言葉、画像でお礼状を載せています。
手紙の流れは、下記のようになっています。
前文…頭語(拝啓や謹啓など)、時候・季節の挨拶、安否の挨拶
↓
主文…用件
↓
末文…締めの挨拶、結語(敬具や謹白、かしこなど)
↓
あとづけ…日付、署名、あて名
これに当てはめると、下の画像のようになります。
友人あて:娘が孫を産んだ出産祝いを送ってくれたお礼状
1枚め
2枚め
拝啓 十二月に入りました。皆様お変わりありませんか。
先日は孫の出産のお祝いを送ってくださりありがとうございました。
娘も初めてのことで予定日の前日には病院へ行きそのまま入院、出産となりました。
母子共に健康で、退院してから二週間は娘の身のまわりの手伝いをしようと思っています。また娘もお礼を言いたいと申しておりますので、孫も連れてお宅へ伺います。その時にはまたご連絡致します。
長男出産で何が必要かもわかっていないので、花子さんのお心遣いはとても助かると喜んでいます。本当にありがとうございました。
お母様にもよろしくお伝えください。これからますます寒さがつのります。あたたかくしてお過ごしになりますように。取り急ぎお礼まで、
かしこ
平成三十年十二月五日
山本和子
田中花子様
12月上旬の手紙書き出し

頭語はプライベートはだいたい「拝啓」を使います。
この頭語は手紙の末文の結語とセットで使います。
・「拝啓」を使った場合は、結語は「敬具」か「敬白」もしくは女性は「かしこ」
・「前略」の場合は、結語は「草々」「早々」
あまり使いませんが、
「謹啓」のときは「謹言」「謹白」
となります。
書き出し・季節の挨拶時候の挨拶
書き出しの挨拶は、難しく考えてしまいますが、要は今現在の事象や現象を書くとスムーズに書き始めることができます。
上の画像でも「十二月に入りました」としていますが、こういったデジタルで書いていると「なんじゃそりゃ」となりますが、
手書きで書く手紙の書き出しとしては特におかしいことはありません。
これはとても便利で、その書く日付のことを書けば良いのです。
書く日が12月10日ですと、「十二月も十日が過ぎました。」
12月15日だと、「十二月もはや半月が過ぎました。」「今年ももうあと半月です。」
などと書くことができます。
私はよくこの「十二月に入りました」や、「今年ももうあと一ヶ月ですね」などと書くのですが、もうちょっと手紙らしく…と思うときは、花や天気のことを書くときれいな書き出しになりますね。
・街の花屋さんにポインセチアが並び始めました。もうクリスマスが近いのですね。
・街路樹も寒そうにしています。
・はく息が白く、気がつけばもう十二月です。
・薄曇りで冬の空が広がっています。
私は花にうとくて、名前はチューリップ、ひまわり、かすみ草ぐらいしか自信を持って言えませんので、花屋さんのことはよく書きます。花の名前を書いてくれているし、その時期に売られていますので季節の花で間違いないです。
こういう手紙で気を付けていることは、嫌なこと・ネガティブなことは書かないということです。
特にこの書き出しのときに、「寒い日が続いています」や、「毎日暑いですが」、「うっとおしい雨が続きます」などは書かないようにします。
相手の安否を尋ねる言葉
季節の挨拶の後に、相手やそのご家族のご健康状態などを尋ねる言葉を書きます。
・いかがお過ごしですか。
・お元気のことと存じます。
・お健やかにお過ごしのことと存じます。
このときに使う言葉は、先の書き出しの言葉、季節の挨拶時候の挨拶のときに、例えば「十二月も十日が過ぎました」と、「過ぎる」という言葉を使った時には、実際には違う意味なのですが、「お過ごし」という同じ漢字は使わないようにしています。
もし使うのであれば、どちらか一方を平仮名にします。
「十二月も十日が過ぎました。皆様いかがお過ごしですか。」
「十二月も十日が過ぎました。皆様いかがおすごしですか。」
テクニックと言うには恥ずかしすぎますが、実際に手書きの手紙では有効な手段です。
12月上旬の結びの言葉
結びは、相手にご家族がいらっしゃる場合にはそのことを書いてから結びの言葉を書きます。
・奥様によろしくお伝え下さい。
・ご家族の皆様によろしく、
・可愛いお子様方にもよろしく、
・ご両親様方によろしく、
このあとに結びの言葉を続けます。
結びの言葉は相手のご健康を気遣う言葉ですので、あまりバリエーションはありませんが、
・時節柄ご自愛下さいませ。
・これからまだ寒くなってまいりますので、お体大切になさいますように。
ご家族のことを書く際に、例えば「奥様によろしくお伝えください」とすると、そのあとの結びの言葉が「ご自愛下さいませ」だと「下さい」が続いてしまいます。
私はその時には「お体大切なさいますように」と、「下さい」を使わないようにするといったことに気をつけています。
・時節柄お体大切にお過ごし下さい。
・これから寒くなります。ご自愛下さいませ。
・お体には気を付けて、ご家族の皆様によろしくお伝えください。
と、手紙の残りの行数によって使います。
下書きをすること
手紙を書く時には、必ず下書きをしましょう。
無地の落書き帳がおすすめです。1冊用意しましょう。そのときに便箋と、それとおそろいの封筒、ペンをセットで構えておくとすぐに手紙を書く事ができます。
これはその時の便箋が何行のものかによって、その下書きのときに自分で線が引けますし、またその下書きのノートはいつ誰にどんな内容の手紙を送ったかの控えになります。
下書きノートには上の画像をもとに大体の文章を書いていき、なるべく2枚に収まるように書いていきます。
手紙は1枚では失礼なものでして、1枚の場合は白の便箋をつけて2枚にする、というマナーがあります。
理由はざっくりいうと、そんなに書くことがないの?と寂しいから…など諸説ありますが、ですが私は手紙を書いていて、1枚になった事はありません。やはり前文の頭語に始まり季節時候の挨拶があり、相手のご家族の安否を尋ね・・・としていると、2枚もしくは3枚にはなります。
ただ、なるべく簡潔に、文章も考えて書くとちょうど2枚に収まるぐらいになります。また3枚になるような場合に、3枚めに日付、自分の名前、相手の名前だけがくるのはマナー違反です。少し言葉を付け足したりと工夫して、3枚めに少しでも相手の健康を気遣う言葉、結びの挨拶が入るように文章を考えます。
便箋について
上の画像では「来富」という便箋を使っています。ノートでおなじみの「L!FE」の便箋です。来富はライフと読むんですね。
封筒もあります。
これは少し大きめの文房具屋さんで大体取り扱いがあると思います。横書き便箋と縦書き便箋が同じ表紙?であります。
縦書きの便箋は、縦に「来富」、横書きの便箋は横に「来富」。色がちょっと違いますね。

左が縦書き。右が横書き。一応うっすらと「縦書き」「横書き」と書いてあります。
文房具屋さんでお求めの際には、お気をつけて買われて下さいね。
まとめ
最後までお読みくださりありがとうございました。12月上旬の手紙を書く際にご参考になれば嬉しいです。