接客

お客様は神様ではない?苦手な客・嫌な客への対応の仕方

「お客様は神様です」

これは三波春夫さんが言った有名な言葉ですが、三波春夫さんのオフィシャルサイトに説明が載っていました。

三波春夫さんにとっての「お客様」とは、聴者・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズです。三波春夫が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。

しかし、このフレーズが真意と離れて使われる時には、例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」という風になるようです。そして、店員さんは「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」という具合。俗に言う“クレーマー”には恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。

このフレーズへの誤解は三波春夫の生前から有り、本来の意味するところについてを、本人がインタビュ ー取材の折などに尋ねられることも多くあり、その折は次のように話しておりました。

『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。
だからお客様は絶対者、神様なのです』

三波春夫公式サイトより

これとは別に、

「お客様はいつも正しい」

これは、20世紀はじめにビジネスホテルの一大チェーンを築き上げて、「アメリカの近代ホテル王」と言われているスタットラーの言葉です。

スタットラーは、ホテルは限られた人たちが利用する社交の場と言われていた時代に、ビジネスパーソンが利用できるバスルーム付き個室を安価で提供しました。

そのためには様々な工夫が必要でした。

この工夫というのが、利用者のニーズを最大限取り込み、より広い範囲の方々にホテルを提供するということで、そんな思い、哲学のもとに生まれたのが、「お客様はいつも正しい」という言葉です。利用する側もその事をよく理解し、感謝をして宿泊したはずで、双方の善意による理解があって初めて、この言葉が生まれたのです。

この二つの言葉にはこういった時代背景があったのです。

ホテルに限らず、ビジネスというものは、売り手と買い手が対等であり、その間には信頼感やお互いを尊重する気持ちがあって初めて成立するものです。

現在では、お客様は神様ではない、お客様がいつも正しいとは限らないと言わざるを得ないケースが多いように思います。それは、お客様のマナー違反があったときです。

例えばファミレスではなく、カウンターのみのお寿司屋さんや天ぷら屋さんで子供連れで入店し、子供が料理にも飽きてきゃあきゃあと走り回ったり、スマホなどで音を大きくして動画を見たり。洋服を売っている店で子供がかくれんぼをしたり、床に寝そべったあと売り物の洋服を触ったり。コンビニで店員を罵倒したり、その人格そのものを否定するようなことを言ったり。

これは店側が注意をし、やり方はその店によりますが、退店を促しても良いレベルだと思います。

お客様と店の間に信頼関係があり、マナーが守られている限りにおいて、「正しい」となるのです。

それでは、「正しくない」お客様にはどう対処すればよいのでしょうか

  

店でルールを決める

基本的にどのサービス業でも、「他のお客様に迷惑をかけたり、働いているものを見下したり、バカにしたりする人は客ではない」となるのではないでしょうか。

これは大前提で、そこから小さいルールを決めていきます。

例えば、飲食店でもその店によっていろいろターゲットの違いがあります。ファミレスでは、家族連れがターゲットですが、居酒屋では基本子供は来ません。子供を連れての来店される需要が増え、それを取り込んでいきたければ、店側で入店できる年齢を決める(小学生以下はダメとか)など制限を設ければ良いと思います。看板を出しているからと言って、誰でも入れるわけではないですよというのを、わかってもらわなければなりません。

子供オッケーの店には家族連れのお客様が集まるでしょうし、子供NGの店には大人が安心してくつろげる店だと認識してもらえます。

そのルールを設けるときに注意するのが、店に貼り紙はしないことです。

以前、お蕎麦屋さんでたくさんの貼り紙をしている店がありました。それはすべてそのお蕎麦屋さんのルールだったのですが、全部禁止事項を書き連ねていました。

携帯禁止、おしゃべり禁止、写真撮影禁止、など・・・過去に携帯で話しながら食べる人もいたんだろうな、そばがのびるまで話をしてばかりの人もいたんだろうな、とは思うのですが、そんな人ってほんの一握りだと思います。その他大勢は良質なお客様のはずです。

そんな一握りのマナーもわからない、それこそ正しくない人のために、良いお客様の気分を害する様な貼り紙をするのは、とても馬鹿らしいことです。

ですのでそういった店のルールは、そういう状況や説明しなければいけないときに、口頭で説明し、ご了承いただくようお願いすれば良いだけです。

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携帯電話を店内で使用される方がいらっしゃる場合を想定されるのであれば、お手洗いの前の小さなスペースでも構いませんので、そちらに否定形ではなく、「携帯電話で通話の方はこのスペースをご利用下さいませ」などと、同じ貼り紙でも「〇〇禁止!」ではなく、
肯定しつつ店が決めた場所で、という書き方を意識します。

あくまでその一握りの人用の対策として、店でルールを作っておきましょう。

個人的に攻撃された場合

もしも特定のお客様に、あなたご自身が何故かターゲットにされたり、執拗に注意なのか説教なのか、を繰り返す行為をする人がいるときですが、これはその人はあなたになにか言いたくて来ています。

上司もしくは店長に事情を説明し、可能であればその人が来たときはバックヤードの仕事にさせてもらうとか、顔を合わせないほうがお互いのためです。

ですが根本的な解決にはなっていませんので、それが避けられない人であれば、一度あなたよりも上の立場の人同席の上、話し合いすることをおすすめします。

そのときによって注意をされることは違うかも知れませんので、呼び止められて説教(?)が始まると思ったら、その内容を聞いた上でもし自分が悪ければ「申し訳ありませんでした。」と謝り、「何度もお客様(名前が分かる場合は〇〇様)からはご指摘いただいておりますので、次このようなことがあれば上の者が伺うと申しておりましたので、呼んでまいりますのでお待ち下さい」と言ってみましょう。それで、今後は「上司とセット」にしてもらいます。

もしも自分に落ち度がなく、言いがかり?と取れるような内容であれば、そのお客様の言ったことを繰り返して、確認を取ります。

以前に注意されたことを持ち出してきたら、「前にもご指摘いただいた**の件ですね」と、その方の言葉をなぞって確認します。
間違えてもそのままオウム返しに繰り返さないように、「お前ンとこの本社の人間」と言われたら、「わたしどもの会社の、本社の者」と言いかえるよう気をつけます。

こうすれば、相手も何を言いたいのかわからなくなり、もうあなたには突っかからなくなると思います。ですが、やはりそれは怖いでしょうし、恐怖心があると思いますので、上の方に一緒に聞いてもらうのが上策です。

きちんとすること

例えば月末、銀行で長い行列が出来ていて、毎月のことなので仕方がないと思いつつ機械からはき出される番号札を取り、順番を待っていたとします。そこへ強面の男性が「いつまで待たせるつもりだ!」と大声で怒鳴ったとします。それを銀行員さんがその場の判断で「それではこちらへどうぞ」なんて言いながらその男性の処理を先にされると、どう思われますか?

良質なお客様が離れていく瞬間です。

これは銀行だから離れていくことはないかも知れませんが、例えばカウンターだけのうどん屋さんだったら?例えばご自分のお店だったら?

たしかに周りも萎縮するような大声で文句を言われると、他のお客様に迷惑だ、などと都合の良い言い訳をし、先に片付けたくもなりますが、それは大きな間違いで、上の銀行の件で言えば、「大変お待たせして申し訳ありません。順番に処理しておりますので、もうしばらくお待ち願えませんでしょうか?」と丁寧にお伝えします。

それでも「俺の用事は振り込みたった1件だけなんだ。とっとと先に処理してくれよ」などと言うかも知れません。ですが、「これだけのお客様がお待ちです。急いで処理をしておりますので、どうぞお待ち願えませんか」と、慌てず丁寧に声をかけることです。

これは大声を出したのが問題ではなく(多少問題ですが)、順番というルールを破ろうとしたことが問題なのです。そのルールを守って一生懸命やっているということをわかってもらえれば、大体の方は納得して下さいます。

もしもこれを先に処理してしまうと、ああここはゴネたほうが得なんだな、と、その男性客だけでなく、待っていたお客様全員に認識されてしまいます。これは絶対にしてはいけないことです。

常連のお客様にもこれは当てはまります。常連だからこそ、順番は守ってもらうように良いお付き合いをしていくべきです。

また、特に飲食店ではよくあることかと思いますが、注文を伺ってから出す順番がどうしても後先になることがあります。これは注文された品物の違いだったり、先に電話でご予約を頂いていたときなどに起こることがあります。

この場合は、お客様は店側の手間などはわからないのが当たり前で、例えば先にご入店されたお客様が天ぷらうどんをご注文され、後で来たお客様がわかめうどんを注文されたとします。

この場合、わかめうどんはすぐ作れるけれどあえて作らず天ぷらうどんをお出ししてから、わかめうどんに取り掛かり、注文を受けた順番に品物も出すようにします。

ですが、もしこれが先にわかめうどんを電話で注文されていて、「今からすぐ行くから作っておいて」と言われていたら、先に入られた天ぷらうどんのお客様に一言声をかけ了承を得るようにします。「すみませんが先に電話でご予約を頂いていた方がいらっしゃいますので、そちらを先にお出ししますが、ご了承いただけますか?」というふうにきちんと説明すると、大体の方はわかってくださるし、ここはきちんとしているな、順番通りだしてくれるな、と認識してもらえます。

ひとは忘れられたり、ないがしろにされると気分を害します。それは当然のことです。お客様には、店側の都合はわかりませんので、順番どおり、という共通のルールは徹底的に守るよう心がけましょう。

まとめ

店を経営していると、いろんな方がいらっしゃいます。店側が、お客様なのか、そうでないのかを見極めましょう。

お客様であれば、丁寧に接客し気持ちよく過ごしてもらい、そうでないひとであれば、毅然とした態度で対応しましょう。

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