喪中はがきを出す意味合いとしては、「年賀の挨拶ができなくて申し訳ありません(年賀状を送れずすみません)」というお知らせです。
出す時期は11月終わりから12月初旬、例年年賀状をやり取りしている相手に対して行います。相手の年賀状の準備もありますので、この時期に出すことが多いです。
基本的には年賀状をやり取りしている相手にはすべてお出しします。
また相手から先に年賀欠礼状がきても、こちらも欠礼しますというお知らせですので、文面は他の方と同じでいいのでお出しするのがマナーです。
あくまでも通知ですので、病状や自分の悲しみなどは書かずに、簡潔にします。引っ越しや他のお知らせなどは欠礼状には書かずに、年が明けて松の取れた1月7日以降に寒中見舞いとして出すようにしましょう。
故人と付き合いのあった方に、以降の年賀状のやり取りを遠慮する場合も、欠礼状とは別に寒中見舞いとして出すほうが良いでしょう。
ここでは文面と、宛名、差出人の名前を解説します。
文面
書面の基本構成
①欠礼の報告(少し大きめに)
②故人の名前、亡くなった日にち
③感謝の言葉と変わらぬお付き合いを願う
句読点は使いません。
①欠礼の報告
喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます
喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます
年始のご挨拶を申し上げるべきところ 父の喪中につき控えさせていただきます
新春の御祝詞を申し上げるべきところでございますが 父の服喪中のためご挨拶を失礼させていただきます
②故人の名前、亡くなった日にち
本年八月 父日本太郎が永眠いたしました
息を引き取りました
逝去いたしました
天寿を全ういたしました
③感謝の言葉と変わらぬお付き合いを願う
皆様がお健やかな年を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます
本年のご厚誼に心から感謝いたします きたる年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます
交誼 友人としての親しい付き合いという意味で、よく使われる表現
厚誼 心のこもった親しい付き合いという意味で、交誼だと目上の人に対しては失礼に当たるためこちらの表現にする
宛名
はがき自体は注文したプリント印刷を購入し、宛名のみ手書きという方も多いのではないでしょうか。
喪中はがきは新年の挨拶を遠慮するというお知らせですので、文面が縦書きのものになりますから、宛名も縦書きで書きます。
ペンはボールペンでもゲルインクのものでも構いませんが、出来れば筆ペンにされると受け取った方が違和感がないようです。一文字ずつ丁寧にゆっくりと書きましょう。薄墨でなくてもかまいません。
私が使っていて、コシがあり書きやすいのが、くれ竹万年毛筆 卓上 8号です。
差出人
喪中ハガキは年頭の挨拶を遠慮すると伝える葉書なのですから、どこのだれが死去されたのかを明確にする役割があります。
同居のご家族でも、出す相手によって差出人を変え、本文にその差出人から見た故人の続柄を、上記の② 故人の名前の前に入れます。
例:父親が亡くなった娘(息子)が出す場合
父〇〇〇〇(フルネーム)
例:夫が亡くなった妻が出す場合
夫〇〇〇〇(フルネーム)
となります。
ご夫婦連名の場合は、ご主人が主体の文章になります。
ご主人のお父様が亡くなったときは、
父 〇〇〇〇(フルネーム)
奥様のお父様が亡くなったときは、
義父 ○○○○(フルネーム)と夫からみての続柄を記し、差出人は「夫、妻」の順とするのが一般的です。
受け取った方も故人の名字から奥様のお父様が亡くなったことがわかります。また義理であっても、父〇〇〇〇とされたり、花子(奥様の名前)の父〇〇〇〇とされる方もいらっしゃいます。
出す相手が奥様の関係先だけならば、差出人を連名ではなく奥様の名前だけにして、上記と同じく 父 〇〇〇〇、もしくは夫の父が亡くなった場合に 義父〇〇〇〇 と、フルネームでお父様の名前を書くのが、一番すっきりします。
まとめ
最後までお読みくださりありがとうございました。ご参考になれば幸いです。